市民団体「信州ファンドレイジングチーム」(塩尻市)は、新型コロナウイルスの緊急経済対策として国が全国民に一律10万円を配る特別定額給付金の一部を市民から寄付してもらい、医療現場に食料や医療資材などを届ける「給付金でつなぐ笑顔のリレープロジェクト」を始めた。
寄付する金額は自由で、チームのメンバーは「新型コロナウイルスと闘う医療従事者を応援して」と協力を呼び掛けている。 寄付金を基に医療施設が必要とする物品を地元の商店などに発注する。市民は社会貢献、医療現場には必要な物品、商店は売り上げ増-という「三方よし」の形をつくることを目指す。
当面は、松本医療圏域の感染症指定医療機関を支援先として想定しているが、寄付金が多く集まれば対象を広げる。
届けるのは弁当や菓子、果物などのほか、防護服といった医療資材も念頭に置いている。 同チームはNPO法人で資金調達などを担当する人たちで構成し「給付金を活用し、医療現場に善意の気持ちを伝えることができないか」との思いでプロジェクトを立ち上げた。
受付窓口は同チームのほか、認定NPO法人「長野サマライズ・センター」(塩尻市)、NPO法人「わおん」(同)。口座振り込み、クレジットカード決済、現金書留、直接持ち込みに対応する。同センター経由で寄付した場合は、所得税の税額控除が受けられる(「信州の小さな寄付プロジェクト」で検索)。
チーム代表(71)は「すぐに給付金を使う予定がなく、貯蓄に回そうと考えている人もいると思う。みんなが応援しているという気持ちが医療従事者の励みになるのでは」と話している。
中日新聞長野版 2020年5月10日
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