長野県内は１４日も、梅雨前線の影響で南部を中心に雨となっています。

下伊那郡喬木村や飯田市では、地区の孤立や土石流の恐れを解消しようと、業者が崩落した土砂を撤去する復旧作業を急いだが、降り続く雨で中断する場面もあった。長野県などによると、同日午前、同村や同郡大鹿村の一部で孤立状態が続いている。ＪＲ飯田線は引き続き一部区間で運転を見合わせている。

　喬木村の県道大島阿島線の土砂崩落現場では１４日午前、加々須川左岸の水田付近に仮の迂回（うかい）路を設置するため、地盤を固める土砂を運び込んだ。一方、雨で県道の土砂撤去作業は中断した。土砂崩落でせき止められた飯田市座光寺の小洞沢（こぼらざわ）川でも同日午前、雨で市が作業を中断した。

　喬木村は同日、この土砂崩落で孤立状態の大島地区について、県や村が１３日に林道を迂回路として使えるよう整備した結果、村外から農作業で訪れていた８人のうち７人の帰宅を確認したと発表した。ただ、雨で林道は同日中に再び通行止めに。残る１人と住民３２世帯５８人が依然として孤立状態となっている

。

　大鹿村では釜沢地区の５世帯７人が孤立状態。土砂崩落の恐れなどから、地区に通じる県道が通行止めになっている。一方、町道崩落により車で行き来できなくなった木曽郡木曽町日義の砂ケ瀬地区の孤立状態は解消した。町が迂回路の林道を整備し、１３日夕から通れるようになった。

　ＪＲ飯田線は、下伊那郡天龍村中井侍地区などでの土砂流入の影響で、引き続き平岡―水窪間で始発から終日運転を見合わせ。伊那八幡―七久保間でも雨量規制のため１４日朝から運転を見合わせている。県や県教委によると、１４日は雨の影響などで公立の小学校１校、中学校１校、高校５校、私立の中学校１校、高校２校が休校した。 

　　（２０２０年７月１４日　信毎WEB版から）

飯田市では、犠牲者が出ています。

　飯田市座光寺で十二日、同市大王路の（７３）が土砂崩れに巻き込まれて死亡した。

現場に所有する畑や小屋があり、数日前から続いていた地割れや噴出する水を修復しようと作業していた。市は「雨が降っていなくても土砂崩れが起きることがある」と注意を促している。地元の人たちは、まさかの事態に複雑な表情を見せた。

　この日は久しぶりの晴れ間となり、多くの果樹農家が農作業に繰り出した。近くの果樹農家（７６）は「土砂崩落でも土石流でも『トーン』という音がするはずだが、聞こえなかった」と振り返った。

　仕事上の付き合いがあった同市座光寺の建築業（６８）によると、畑では野菜を育て、小屋の中にはテーブルや椅子、まきストーブがあり、昔の仕事仲間を呼んで昼食を取る姿もあったという。「仕事を辞めて、余生を楽しく過ごしていたんじゃないかな。亡くなったと知り、まさかと思った」と声を落とした。

　市内では十四日昼ごろまで雨が強まると予想されている。飯田市の牧野光朗市長は十三日、臨時記者会見で「これまでの多量の雨でかなり地盤が緩んでいる。川や崖など危険な場所には絶対に近づかないで」と強く呼び掛けた。

松本市内では。

　大雨による土砂崩落で通行止めが続く松本市安曇の上高地に向かう国道１５８号は、十五日午前七時半から片側交互通行できる見通しとなった。県松本建設事務所によると、二十日までは午後七時までの通行に限る。

　十六、十七日は復旧作業のため、午前九時五十分〜午後三時と午後四時十五分〜同七時は通行止めにする。二十日をめどに応急工事が完了する予定で、二十一日から夜間通行も可能になる見通し。今後の天候により変更もある。

 　（２０２０年７月１４日　中日新聞長野WEB版会員限定から）

雨が止んでも土砂災害に注意！】

雨が止んだ後に土砂災害が発生した事例があります！

https://pref.nagano.lg.jp/sabo/manabu/ame-ato.html…

大雨注意報が解除された後でもしばらくは、がけから小石が落ちたり水が湧いたりする所、水かさが増した川など、いつもと様子が違う所に近づくことは危険です。命を守るためにもご注意を！