当館は日本初の"山岳"をテーマにした博物館として、1951(昭和26)年に北アルプス山麓のまち、大町に誕生しました。当館の常設展は「北アルプスの自然と人」がメインテーマです。自然科学・人文科学の両視点から、後立山連峰を中心とした北アルプスを総合的に紹介しています。北アルプスとその周辺にある素晴らしいフィールドへみなさんをお誘いし、「自然と人とが共生する山岳文化」を当館からのメッセージとしてお伝えします。夏休みに訪れてみてはいかがです。
大町市立大町山岳博物館は、企画展「博物学と登山 大正登山ブームと信州理科教育のさきがけ」を開いている。教員たちが北アルプスで動植物や地質などを調べた学術登山が、大正以降に近代登山が盛んになった要因の一つだったとして、大町北安曇にゆかりのある明治・大正の教員6人の足跡と、関連の品を紹介している。
大町市の仁科学校(現大町西小学校)校長だった渡辺敏(はやし)は1883(明治16)年8月、北城学校(現白馬北小学校)校長らと総勢9人で北ア白馬岳に登った。同行した北安曇郡長の日記にその時の様子が記されており、同館の関悟志学芸員(44)は「記録に残るものでは最初の白馬岳登山」とする。北安曇教育会が保存するこの日記の写しを展示している。
松本市出身で高山植物の専門家、河野齢蔵(れいぞう)は1897年に大町小学校(現大町西小学校)の校長に就任。翌98年、植物採集を目的に白馬岳に登り、学術誌「植物学雑誌」で登山の様子を発表した。全国の博物学者らの注目を集め、白馬岳が高山植物の宝庫として有名になった。
ほかに、旧制長野中学校(現長野高校)の教員を務めた志村寛が1904年に白馬岳葱平(ねぶかっぴら)付近で見つけ、新種と確認されたヒメウメバチソウの標本などを展示。田中阿歌麿(あかまろ)、矢沢米三郎、保科百助も紹介している。
登山は古くは信仰や狩猟のため行われたが、大正時代の鉄道の発達、地形図の発行、山小屋の開業などで、登ること自体を楽しむ近代登山が盛んになった。関さんは「県内教員が行った学術登山や学校集団登山は、これらとともに登山への関心を高めた」と説明している。
企画展は9月27日まで。
開館時間は午前9時〜午後5時(入館は午後4時半まで)。
入館料は一般450円、高校生350円、小中学生200円。
休みは9月7、14、23日。
問い合わせは大町山岳博物館(電話0261・22・0211)へ。
〒398-0002 長野県大町市大町8056-1
信濃毎日新聞WEB版(2020年8月5日付)から。
「北アルプスの自然と人」をテーマに、後立山連峰を中心とした北アルプスの自然・人文科学について紹介する総合博物館です。
■当館では動物・植物・地質・山岳・歴史・民俗・美術など各分野の資料を収蔵しています。これら資料の中から実物資料を中心に「山と人とのかかわり」をメイン・テーマとした常設展示を行なっています。
また、野外には“生きた学習・研究の場”として動植物を飼育・栽培する「付属園(付属動植物園・コマクサ園)」を併設しており、特別天然記念物ニホンカモシカや高山植物コマクサ(花の見頃は5月中旬〜6月下旬)などをご覧いただけます。
さらに、敷地内には山岳に関する書籍などの“山岳図書資料”を収集・保管する「山岳図書資料館」を併設しています(閲覧などの利用申し込みは博物館受付窓口へ。蔵書検索は博物館HPからできます)。
■3階は大町市と北アルプスの概要の紹介です。北アルプスがゆったり眺められるソファー、床には周辺の地図、無料になった望遠鏡などがあります。
2階では大きなアンモナイトが出迎えます。魚の化石やさまざまな岩石に触れてみて感触を味わってください。2階展示室ではニホンカモシカとライチョウに出会えます。いまに生きる生物を山地帯から高山帯へと紹介し、展示室の中央ではニホンカモシカの特徴や北アルプスにすんでいるライチョウの生活の様子を紹介しています。
1階では山の魅力をデザインした7本のバナーが出迎えます。北アルプスと人とのかかわりについて峠の歴史や山での暮らし、測量や博物学などの視点から見た山を実物資料と写真で紹介しています。
■当館では、創設時から「自然を知り、自然と親しむことによって、自然を守り育てる」という自然保護の理念を掲げ、現在も地域の自然や文化の保護、将来の地域発展につながる活動を行っています。また、平成14年に大町市では「山岳文化都市宣言」を行ない、「環境の世紀」といわれる21世紀にふさわしい山岳文化の発展と創造をめざし、自然と人とが共生する町づくりを進めています。
詳細下記の当館オフィシャルホームページをご覧ください。
オフィシャルホームページ http://www.omachi-sanpaku.com/
安曇野アートラインホームページ http://www.azumino-artline.net/oomachi/
長野県大町市大町8056-1
電話:0261-22-0211
FAX:0261-21-2133
長野自動車道安曇野ICから40分
(北アルプスパノラマロード経由白馬方面へ28㎞)
※博物館前に無料駐車場
(普通車30台・大型バス5台収容) あり。
写真提供:大町市立大町山岳博物館
大町市は山岳文化都市宣言をしています。
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