飯田市、伊那市、富士見町、大鹿村を範囲とする南アルプス(中央構造線エリア)ジオパークの再認定調査が二日、飯田市で始まった。調査は四年に一度。四日まで調査員二人がエリア内を巡り、前回の認定以降の取り組みや関係者らが描く南アの将来図を聞き取る。
ジオパークは、過去の地球の営みを今に伝える地形や地質を残す活動。南アは日本を代表する巨大断層で全く異なり合う地質が隣り合う中央構造線があり、二〇〇八年に認定された。
二日には飯田市南信濃を、調査員の日本ジオパーク委員会副委員長で宮城大の宮原育子名誉教授と鳥取環境大の柚洞一央准教授が訪ね、旧木沢小学校や程野露頭などを視察。観光関係者や自治体首長らからヒアリングした。
前回の認定では四自治体間での連帯の強化や案内・解説看板の統一感などが課題に上がった。
宮原名誉教授は「複数の自治体間で一つのジオパークを造るにはどうしたらいいのか、もっと議論が必要」と指摘。柚洞准教授は「説明には専門用語がまだ多く、何が面白いかが一般の人に伝わらない。どう面白いのかを関係者が話し言葉でしゃべれるようになってほしい」と話した。
2020年11月3日 05時00分 中日新聞WEB版会員限定記事から。
2008年12月に,南アルプスの長野県側4市町村が『南アルプス(中央構造線エリア)ジオパーク』の名で、日本最初の7ヶ所の日本ジオパークのひとつに認定されました。
南アルプス(広い意味の赤石山脈)は、南海トラフの底から見ると,9000メートルの高さをもつ大山脈です。陸上部分だけでも海抜3000m級の高山を10座有する日本を代表する山岳地域になっています。中生代から現在までの海洋プレート沈み込み帯で起こったいろいろな現象を、狭い地域で集中して見ることができます。
ジオパークとは、「地球・大地(ジオ:Geo)」と「公園(パーク:Park)」とを組み合わせた言葉で、「大地の公園」を意味し、地球(ジオ)を学び、丸ごと楽しむことができる場所をいいます。
ジオパークには。世界ジオパーク(ユネスコの事業)と、日本ジオパーク(日本版のジオパーク)の2種類があり、それぞれ審査を通過して認定を受ける必要があります。
ジオパークの目的は、保護・保全だけにとどまらず、教育活動、観光活動などを通して、地域の振興につなげることです。
南アルプスをとりまく3県10市町村では、当初、遺産の保護を目的とした世界自然遺産への登録を目指しましたが、その後、大地の遺産の保護と活用に重点を置いたジオパーク、生態系の保護と活用に重点を置いたユネスコエコパークを目指すこととなりました。現在のところ、南アルプス(中央構造線エリア)ジオパークは、長野県の4市町村のみでの活動となっています。
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