ことし絶滅危惧種に指定され希少性が世界的に注目されているマツタケについて、人工栽培の研究に取り組んでいる県などはマツタケのもととなる菌の塊を人工的に大きく育ててアカマツ林に植え替える新しい取り組みを始めました。
まだ確立されていない人工栽培技術の進展につながるか注目されます。
長野県や信州大学などはマツタケの人工栽培技術を確立させようと、4年前から松本市のアカマツ林で実験を進めています。
これまでの研究で、アカマツの根につくマツタケ菌の塊を人工的に作り出すことに成功していますが、この菌の塊を地面に植え替えたところ、マツタケが生える大きさまで成長しないことが課題になっていました。
長野県は、自然の環境ではほかの菌と競合してしまうことが原因と見ていることから、12日はほかの菌に触れにくい環境でこれまでよりさらに10か月ほど長く育てて菌の塊を大きくした3つの苗木を用意し、植え替え作業を行いました。
職員らはスコップなどで土を掘り返したあと、鉢から苗木を取り出して根についている菌の塊が2倍以上の大きさに成長していることを確認し、慎重に植え替えて水を与えていました。
マツタケはことし国際的な自然保護団体が絶滅危惧種に指定し、改めて希少性が注目されていて、今回の研究で人工栽培技術の進展につながるか注目されます。
県林業総合センター特産部長は「菌が育っているか不安もあったが、順調に大きくなり安心した。地元の生産者などと連携しながら人工栽培の実現につなげたい」と話していました。
NHK信州WEB版 2020年11月12日 14時45分放送配信分
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