名古屋長野県人会報誌「中京の信州人」に広告の協賛をいただいた方々に県人会情報と名古屋・愛知の文化・経済の近況をお知らせしています。
目次
・近況~中島利一さんが「バイオリン王 鈴木政吉が住んだ大府の地」出版
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愛知県と信州をつなぐ~名古屋長野県人会通常総会の貴重な出会い
大府学研究会(中島利一会長)が「バイオリン王
鈴木政吉が住んだ大府の地」出版
コロナ禍のため少人数の通常総会となりましたが、貴重な出会いがありました。
通常総会で若い県人会員の獲得について発言いただいた中島利一さん(中島特殊鋼、メタニクス取締役会長)から、「バイオリン王 鈴木政吉が住んだ大府の地」(大府学研究会発行、原啓印刷、1300円+税)の著書をいただきました。中島さんは愛知県大府市にまつわる郷土史を研究する大府学研究会の会長でもあります。
バイオリン王というのは「鈴木バイオリン製造」(大府市桃山町)の創業者、鈴木政吉のことです。同社は1887年(明治20年)創業した135年の老舗企業です。2021年(令和3年)、名古屋市内にあった本社を、かつて分工場があった大府市に移しました。
「バイオリン王 鈴木政吉が住んだ大府の地」では、鈴木政吉の生い立ちや、三男で「スズキ・メソード」の創始者、鈴木鎮一について書かれています。スズキ・メソードは鈴木鎮一が唱えた「才能は生まれつきではない、どの子も育つ、育て方ひとつ」のモットーで知られています。(本書166頁)。
鈴木鎮一が1951年から1994年まで43年間暮らした邸宅が長野県松本市にあります。旧邸宅は松本市が鈴木鎮一記念館(深志3丁目)として1996年に開館しました。記念館コンサートが続けられており、2010年には大府市出身の世界的なバイオリニストの竹澤恭子さんが出演しています。
本書によると、竹澤さんは大府市立大府小学校1年生で海外演奏活動のために選抜される10人の「スズキ・チルドレン」に選ばれ、欧米での演奏旅行に出かけています。
大府学という切り口の本ですが、愛知県と信州を結ぶ、もうひとつの切り口も鮮やかな一冊といえるでしょう。
文責 広報文化委員会長