長野県上伊那農業高校(長野県南箕輪村)コミュニティデザイン科グローカルコース昆虫食班の三年生たちが、伊那谷の郷土食ザザムシを原料にしたふりかけを開発、商品化しました。
ザザムシは、トビケラなどの水生昆虫の幼虫の総称です。
主につくだ煮に加工されますが、地域の伝統的な食文化を残したいと、若い高校生の世代が抵抗感なく食べられるよう工夫し製品化ました。
水生昆虫のトビケラのことを中部地方ではザザムシと呼んでいます。
長野県の伊那谷を流れる天竜川流域では昔からザザムシを佃煮にして食べています。
しかし、佃煮にする原料は70年代より前はトビケラよりもきれいな水にすむとされているカワゲラでした。
つまり、天竜川の水質が変化したことによって、虫の種類も変化したのです。
汚れていた川でトビケラが増えれば水質が改善された証拠になります。
しかし、トビケラには石と石の間に網を張り、流れてきたエサを捕獲するものがいます。
ザザムシを原料にしたふりかけは、粉末状または少し形が残るぐらいに粗くひいたザザムシに、伊那谷産のクルミや汽水域で採れるスジアオノリ、ゴマ、かつお節などを混ぜたふりかけにしています。
タンパク質が豊富なことから「ZAZATEIN(ザザテイン)」と名付けました。
昆虫食班は商品開発と同時にザザムシの人工繁殖にも取り組み、クルミとスジアオノリは、繁殖に用いた石と餌の藻をイメージして取り入れたということです。
ふりかけは一袋(17グラム入り)税込み850円。三百袋限定で製造しました。
ざざ虫というのは、1つの特定の虫を指しているワードではなく、天竜川の清流に住む水生昆虫の総称で、ヒゲナガカワトビケラ(別名 青虫)、カワゲラ(別名 ザザ虫、チョロ)、ヘビトンボ(別名 孫太郎虫、川ムカデ)等の幼虫が代表的なざざ虫のこと。
ザーザーと流れるところにいる虫ということが語源とも言われています。
ざざ虫を捕るのに許可です、釣りの鑑札と同じです。虫を捕れば買い取る業者があるので、お金になります。これは全国でもここ伊那谷だけです。
組合員は、出資証券を購入し年会費4,000円を払います。
別途、1年間の入漁料も払います。
信州大学繊維学部の研究では、再生医療の分野で注目されているiPS細胞を培養する時の土台部分に、ざざ虫の糸から抽出したタンパク質が有効利用できるとことがわかっています。
今まではコラーゲンを使っていて、蚕の糸(シルク)のタンパク質を使う研究も進んでいます。シルクに比べてざざ虫の糸を使うと細胞の接着率と増殖率が2〜3割高く、細胞分化を促進する力も大幅に高い結果が出ることもありました。
このざざ虫の糸のことを『トビケラシルク(ざざ虫シルク)』と名付けて実用化に向けて信大では研究を続けています。
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