信州大学には、農家ボランティアサークル「りんご部隊」があります。
りんご部隊の主な活動は、年間を通して長野県安曇野市のリンゴ農家のもとで農作業のお手伝いをすること。全学部から集まった「隊員(所属学生)」数は100名を超え、サークルのなかでも屈指の規模を誇ります。
最初の活動開始から30周年という節目の年を迎え、信州大学を代表する伝統のサークルといえます。
信州大学広報誌「信大NOW」第114号(2018.11.30発行)から紹介します。
長野県は青森県に次いで全国第2位のリンゴの生産量を誇ります。
りんご部隊の活動拠点である安曇野市は長野県内でも5本の指に入るほどのリンゴの産地です。
りんご部隊の活動期間は、リンゴ農家が特に忙しくなる春から秋。
期間中は毎週末、各キャンパスから作業可能な学生が集まり、安曇野市三郷地区の8軒の受け入れ農家のもとで、季節ごとの農作業を手伝っています。
受粉、摘果(摘花)、葉摘み・玉回し、収穫など、1年のうちにやらなければならない作業量は想像以上に膨大です。
初夏に行われる「摘果(摘花)」は、リンゴを大きく育てるために、多くつきすぎた小さな果実(時期によっては花)を落とし、より良い果実のみを残す作業です。
リンゴが赤く色付き始めた頃に行う「葉摘み・玉回し」は、太陽の光が果皮にまんべんなく当たるよう、果実に影を落とす葉を摘んだり、太陽が当たる方へ果実を回したりする作業のこと。主要栽培品種である「ふじ」のような、果皮の赤いリンゴには不可欠な作業です。
学生たちが1年間の作業を終えると、1人1作業につき1コンテナ分のリンゴを作業報酬としてもらうことができます。受け取るリンゴの多くは市場流通には回せない規格外品ですが、わずかな傷やスレがある程度で、味に大きな変化はありません。
作業報酬として受け取ったリンゴは、毎年11月に開催される京都大学の学祭「11月祭」で販売し、その売上をサークルの活動資金に充てています。今年、販売したリンゴは、数にしておよそ9,720個。
30年間、大学からの援助などに頼ることなく、活動を継続させてきました。
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