地方鉄道 の輸送密度1000人未満の路線が存続の危機に!
赤字が続く地方鉄道のあり方を議論してきた国の検討会は、JRについては、1日に平均何人を運んだかを示す「輸送密度」が1000人未満の区間などを対象に、バスなどへの転換も含め、協議を進めるべきとする提言をまとめました。
全国のおよそ60の路線に上り、長野県内では大糸線の3つの区間のほか、合わせて4路線の7つの区間が対象となっています。
人口減少に加えて、新型コロナの感染拡大で利用客が落ち込んで、多くの事業者で赤字が続き、存続が危ぶまれる路線も出ています。
JRは、目安として1キロあたり1日に平均何人を運んだかを示す輸送密度が「1000人未満」の区間を対象に、国が中心となって沿線の自治体や鉄道事業者などが参加する新たな協議会を設置すべきだとしています。
輸送密度「1000人未満」の区間でも、通勤や通学の時間帯に利用が集中するケースを想定し、ピーク時1時間の乗客が、上り・下りのいずれかで500人を上回っている場合は対象から外すとしています。
また、特急列車が都道府県庁所在地など拠点都市をつなぐ区間や貨物列車が重要な役割を果たす区間も対象としないということです。
そのうえで、議論を始めてから3年以内に自治体と鉄道事業者が合意の上、対策を決定すべきだとしています。
長野県内のJRの路線のうち、平時における輸送密度が「1000人未満」の区間は、JR大糸線など4路線の合わせて7つの区間です。
JR各社がホームページで公表している資料などによりますと、新型コロナの感染が拡大する前の2019年度に、県内で輸送密度が1000人未満だったのは、「大糸線」では信濃大町と白馬の間、白馬と南小谷の間、それに、南小谷と新潟県の糸魚川の間です。
又、「中央本線」の辰野と塩尻の間、「小海線」の小海から山梨県の小淵沢の間、「飯山線」の飯山と戸狩野沢温泉の間と戸狩野沢温泉と新潟県の津南の間です。
このうち、JR大糸線の南小谷から糸魚川の区間では、運行するJR西日本と沿線の自治体などが、路線のあり方などについて検討する振興部会をことし5月に立ち上げ、議論を始めています。
バスなどへの転換も含め議論を進めるべきとされたJR大糸線を、通学で利用している長野県小谷村に住む高校生からは、利用促進を議論して鉄道を残してほしいという声が聞かれました。
大糸線応援隊
大糸線活性化協議会では、一体感のある取り組みによりJR大糸線の利用促進とPR強化、知名度向上を図ることを目的に、「大糸線応援隊」を募集しています!ぜひ登録いただき、一緒に大糸線を盛り上げませんか。
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Q.沿線に住んでおらず、大糸線に乗ったこともありませんが、隊員になれますか。
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所在地
糸魚川市役所
大糸線活性化協議会事務局
(都市政策課 交通政策係)
国土交通省ホームページ(以下のURL)にて公開いたします。
https://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_tk5_000011.html
特定線区再構築協議会
最も注目すべきポイントは、輸送密度1,000人未満の路線を対象に「特定線区再構築協議会(仮称)」の設置を求めたことです。
特定線区再構築協議会は、複数の自治体や経済圏・生活圏にまたがるなどの事情によって、合意形成に広域的な調整が必要と認められる場合に、鉄道事業者または沿線自治体の要請を受けて設置するものです。
つまり、一自治体内で完結するような路線は対象外です。また、自治体との連携が比較的取りやすい第三セクター鉄道線区も除きます。こうした路線については、地域公共交通活性化再生法の協議会などで話し合うことになります。
端的にいえば、特定線区再構築協議会は、複数自治体をまたがるJRのローカル線について、JR側から法定協議を求めることができる仕組みです。
40年ぶりローカル線大整理
国鉄末期の特定地方交通線は、国鉄再建法という法律を根拠にしていました。一方、今回の特定線区は、いまのところ、政府の検討会が『提言』という形でまとめた状況にすぎません。今後、必要な法令が整えられていくにせよ、どこまで強制力を持つ形になるのかはわかりません。
国鉄末期と決定的に異なるのは、世論です。当時は、鉄道廃止に対するアレルギーが国民全体に強かった気がします。しかし、現在は「利用者の少ない鉄道は廃止して構わない」という世論が強くなっている印象があります。地方における鉄道の存在感が、1980年代に比べて小さくなっているからでしょう。
利用者減が深刻なJR大糸線の南小谷(小谷村)ー糸魚川(新潟県糸魚川市)間の路線のあり方について、小谷村とJR西日本、地域住民の意見交換会が8月30日、村役場であった。
この路線を巡り、地域住民がJR西と直接話し合うのは初めて。住民からは路線維持に向け、地域とJRが連携した利用促進案など活発な意見が出た。
村大糸線振興会議の主催。午前と午後、夜間の計三回開き、午前と午後の二回だけで村民を中心に五十人が参加した。
JR西日本金沢支社の鹿野剛史交通企画室長がこの区間について、一日当たりの平均乗客数の目安「輸送密度」が、ピークの一九九二年度の千二百八十二人から二〇二〇年度は五十人まで落ち込み、収支も赤字で厳しいことなど現状を説明。「観光などの利用増に向け、地域の皆さんと路線の活性化、持続可能な方策を一緒に見いだし、取り組んでいきたい」と述べた。
参加者からは「駅活性化のため、桜を植えて公園化しては」「JRと地域がタイアップして登山ツアーやウオーキングといった観光イベントはどうか」「大糸線のJR東日本区間との接続をもっとよくして、北陸方面に観光客を誘導できないか」などの提案があった。「災害も乗り越え、歴史もある路線。現在、大阪の実家への往復で使うようにしている。採算も分かるが、なるべく存続してほしい」との声も上がった。
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