ヒノキの丸太を載せた木製そりを100メートル引いて速さを競う「世界 木馬きんま 引き大会」が11月3日、長野県上松町のJR上松駅前であり、優勝チームの25秒65がギネス世界記録に認定されました。
木曽上松町制施行100周年記念で企画され、同町で先月8日に予選を兼ねて開いた「全国大会」の上位3チームが出場しました。
長さ約3メートル、直径約30センチの丸太5本を載せた木馬は総重量450キロ超。公式認定員が立ち会い、各チーム8人で力いっぱいに引っ張り、観客の声援を受けてゴールを目指しました。
成績:
優勝は、愛知県豊田市の自動車部品会社チーム「ビクトリーズ」(25秒65)
2位は「木曽警察署ブラザーズ」(31秒55)
3位は「関電」(32秒87)
木馬(キンマ)とは、かつて木材を搬出するために使われたソリ状のものをいいます。
杣人によって伐られた材は木馬に積み上げられ、盤木と呼ばれる丸太を枕木のように敷いた木馬道の上を滑らせるようにして運び出されました。
およそ2トンもある木材を運び出すこの操作はかなり難しく、熟練された技が必要とされ、時には運搬中に死傷者が出ることもあったといわれています。
先人の苦労を忍び、また林業の町である誇りを後世に伝えるべく、上松町では30年以上前から「木馬(きんま)引き大会」を行ってきました。
全国でも類を見ない、上松独自の木馬引き大会には、毎年町内外から多くの人が参加します。
およそ300kgもある丸太をソリに乗せ、総重量450kgもの木馬を数人で引き回し、スピードを競うレースです。迫力満点で、林業が盛んであった上松町の在りし日の姿を想起させます。
コロナ禍の影響で今年は3大会ぶりに開催されました。