長野市の善光寺びんずる像盗難事件は110番通報から2時間余りで犯人がスピード逮捕されました。
善光寺事務局が、警察へ「びんずる尊者像が盗まれた」と110番通報したのは、4月5日の午前8時43分のことでした。
その後、犯人が松本市内で逮捕されるまではわずか2時間余り、なぜこんなに早い解決でしたのでしょうか?
このスピード逮捕に役立ったのが、今年度4月から新たに導入された「110番の新通報システム」でした。
善光寺事務局から通報を受けた警察は「110番映像通報システム」の利用を依頼して、
善光寺からの110番通報をしてもらっている最中に、映像や画像をスマートフォンから情報を同時に入手して、それを直接、長野県内各警察署へ同時送信していたのです。
善光寺側から送信された防犯カメラ画像に写っていた犯人の顔や服装などを、長野県警察本部通信指令課は、長野県内各警察署へ緊急配備を敷くとともに、画像情報が第一線の警察官に情報提供されたのです。
その後、松本市内を巡回していたパトカーの警察官が、対向車線を運転する犯人を発見して緊急逮捕されました。
このシステムの活用で犯人像を確認する時間が短縮できた上、110番通報から2時間余りでのスピード逮捕に繋がったのです。
事件事故を110番通報する際には、この映像通報システムを積極的に活用してほしいと思います。
このシステムは警察庁が4月1日から、「110番映像通報システム」の運用を始めたものです。110番通報時にスマートフォンやタブレットを使って、事件・事故現場の様子を画像や映像で送れるシステムとなっています。
事件事故の通報で現場の映像が必要と警察が判断した場合には、通報者の同意を得たうえで現場の状況等の映像画像撮影を依頼して集めて、撮影した映像画像の著作権者は、もちろん撮影者本人ですが、これを放棄(権利放棄)してもらいます。
またGPS機能で撮影者の位置情報も同時取得して、現場への事件事故現場への到着もスムーズとなります。
警察庁によると、原則として撮影した映像は7日後に自動消去されるということです。
「110番映像通報システム」は、音声だけでは把握が難しい事件・事故等の
現場の状況を、スマートフォン又はタブレット端末(以下「スマートフォン等」と
いう。)により警察に通報することができるシステムです。
○ 110番通報を受けた警察職員は、映像を取得する必要性があると判断した
場合、通報者の同意を得て、通報者のスマートフォン等にSMS(ショート・メッ
セージ・サービス)を利用して、専用URLを送信します。
通報者は、専用URLにアクセスすることで、本システムを利用することがで
きます。(警察庁が適用する設定によっては、専用URLにアクセスした後、警
察職員が口頭で伝えるアクセスコードの入力が必要になる場合があります。) ○ 通報者は、スマートフォン等のカメラ機能を用いて撮影した映像等に加えて、
あらかじめ撮影した映像等を送信することができます。
本システムの利用の際は、スマートフォン等のGPS機能を利用して通報場所の
位置情報を取得します。
○ 本システムの利用には、専用URLにアクセスしたときに画面に表示される注意
事項等を理解し、これらに同意していただく必要があります。