松本サリン事件から30年が過ぎました。
事件の第一通報者で被害者でもある河野義行さんが長野県箕輪町で開かれた講演で自身の体験を語りました。
河野義行さんは、愛知県豊橋市に生まれで、名城大学理工学部を卒業後、仕事で松本市内に住んでいて、事件に巻き込まれてました。
当時は長野県警察から家宅捜索を受けてから、マスコミからは容疑者扱いされ非情な報道を受けました。
講演会では、当時の苦しみを話すとともに、改めて報道の在り方について批判しました。
河野義行さんの講演概要
「事件から今年で30年が過ぎました。各メディアは勉強会とか講習会とか講演会とかいろいろやって当時の報道が何が問題であったのか、どうすればそういう過ちを犯さないで済むのか、そんなことを随分やったわけですが、実はメディアというのはですね。そういう誤報だとか人権侵害を起こさないための手法ですね、とっくにわかっているんですよ。わかっているけれどもそれが実践されてない。だから繰り返すんです」
「メディアにとって一番大事なものは何か、それは誰よりも早くその情報を報道するあるいは記事に書いていく速報性ですね。一番でなきゃいけないっていう、そういう価値観が非常に強い。研究分野であれば2番は価値ないですよ。しかし報道は2番だって3番だっていいじゃないですか、それが正しくきちっと伝わる、伝えていくそちらの方が私は大事だと思う。メディアがやらなきゃいけないのは、自分たちが議論して得た結論を実践するそのことが大事じゃないかそんなふうに思います」。と語りました。
松本サリン事件の第一通報者であり、被害者でもある河野義行さん(昭和25年3月生まれ74歳)は、11月24日、長野県箕輪町で開かれた「報道と人権」をテーマにした講演に講師として招かれ、自身の体験と当時の苦悩を語りました。
主催
長野県箕輪町教育委員会
箕輪町人権尊重のまちづくり審議会