大阪万博2025が開幕しました。
7月13日には、大阪万博会場で南信州の大島山の獅子舞が
登場します。期待しています。
この獅子舞は、900年の伝統を有し、伊那谷屋台獅子の源流といわれています。
大島山の獅子舞については、平成16年に長野県無形民俗文化財に指定されています。
伊那谷の屋台獅子の発祥となった獅子舞です。
宇天王が引く舞楽系の舞いです。
近年復活を遂げた陵王の舞も披露されます。
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解説
南信州獅子舞は900年の伝統をほこる芸能です。
大嶋山瑠璃寺の獅子舞は、発祥を天永3年(1112)にさかのぼる、900年に及ぶ長い歴史をもつ伝統芸能です。
瑠璃寺の開祖である観誉僧都(かんよそうず)が比叡山の坂本社から獅子を迎え、縁日に舞いを行うようになったと伝えられています。
享保年間(1716~1735)には今と違った形式の獅子舞が演じられており、天保5年(1834)の記録に「宇天王」「猿」「鬼」が記載されていることから、江戸末期には現在の形にほぼ固定したと考えられます。
この様式をモデルに、獅子舞は明治期以降、大島山から伊那谷各地に伝播していきました。
◆伊那谷屋台獅子の源流
獅子舞には「神楽系」「舞楽系」「山伏系」の三系統があるとされていす。
神楽系は頭に獅子頭をかぶって舞う形態で、神の化身として家々を訪れ悪霊を退治します。
信州各地で一般に見られる獅子舞がこれです。山伏系は平らな口をもつ獅子が特徴で、中世期に山岳修験道が伝えたものとされています。
そして瑠璃寺の獅子舞は舞楽系に属し、笛の音曲や獅子を曳く宇天王の所作に、その優雅な形態を見ることができます。
瑠璃寺の獅子舞は、幌をかけた大きな屋台が獅子の胴体となっている点が特徴です。この中に大太鼓、小太鼓、笛などの囃子連が入ります。これは屋台獅子(練り獅子)と呼ばれ、獅子使いが獅子を操りながら、道中を観衆に見せることに力点が置かれています。
信州の伊那谷地方にだけ見られる形態で、大島山瑠璃寺の獅子舞がその源流といわれています。